Movable Type 6 に期待すること

先日、Movable Type 5.2 がリリースされました。それと関連するわけではないけど、Movable Type 6 に期待すること(CMS の理想像)について、考えたことを書いてみます。

最初に書いておきますが、Movable Type 5 に使いづらさを感じてます。それは、バージョンが5.2になっても変わりません。

システム自体の完成度は高いし、運営者の目線ではそれほど不都合は感じません。しかし、テンプレートをいじって、自分の思い通りのサイトを作るような場合、つまり制作者の目線では使いづらいんですよね。

ただ単純にウェブサイト(またはブログ)単体で成り立つようなサイトであれば難しくないんですが、ウェブサイトとその配下にあるブログを一つのサイトとして構築するような場合は結構面倒です。

一つのウェブサイトに対して複数の子ブログで構成されるサイトの場合、編集するテンプレートの数が半端ないです(しかも再構築は別々)。

Movable Type 5 を使いづらくした最大の理由はウェブサイトという概念を導入したことにあると思っています。

Movable Type 4 までは WordPress と肩を並べるブログウェアとして成功してたと思います。しかし、ウェブサイトという概念が導入された Movable Type 5 では、ウェブサイトの配下でしかブログが作れなくなり、Movable Type をブログウェアとして使っていたブロガーが離れていきました。それだけが Movable Type 離れの理由とは言えないですが、少なくとも一因にはなっていると思います。

では、ブロガー以外の人たちに受け入れられたのかと言えば、必ずしもそうではないように思います。Movable Type の魅力的な部分を上回るような CMS が他になかったということじゃないでしょうか(少なくとも自分はそうです)。

例えば、大手企業では Movable Type 5(のサードパーティー製品)を利用している事例が多くあります(シックス・アパート製品 導入事例)。しかし、中小企業や個人のような比較的規模の小さいサイトとなると WordPress の利用が多いように思います(参考: WordPressでのサイト構築事例を淡々と並べるまとめ - NAVER まとめ)。

Movable Type 5 がブロガーもブロガー以外の人たちにも幅広く受け入れられる CMS へと進化するために必要だったのは、ウェブサイトという概念を導入することではなく、その逆で、ブログという概念を捨てることだったと考えています。

従来の一ページずつ手作業で作るサイトというのは、フォルダを作り、そのフォルダの中にファイルを作るという作業の繰り返しでしかありません。その基本に立ち返って、フォルダ(ディレクトリ)単位で管理するというのが Movable Type の取るべき道だったのではないでしょうか?

イメージとしては以下のような流れです。

  1. ディレクトリを作成する
    • ディレクトリ名(ベースネーム)を設定する
    • ディレクトリにロール(役割)を設定する
      • 通常ファイル用ディレクトリ(従来のフォルダ・カテゴリに該当)
      • ログ用ディレクトリ(従来のブログやコミュニティ・掲示板に該当)
        • ログの分類を設定する(アーカイブ)
        • 出力ファイル名を設定する(アーカイブパス)
      • システム用ディレクトリ(アップロードファイル用など)
    • ディレクトリにテンプレートセットを設定する(継承・追加または新規)
    • ディレクトリの管理者・投稿者を設定する
  2. インデックスファイルの作成
    • 通常ファイルでインデックスファイルを作成する(従来のウェブページに該当)
    • テンプレートでインデックスファイルを作成する(従来のブログとアーカイブのトップページに該当)
    • インデックスファイルを作成しない
  3. 通常ファイルを作成(従来のインデックステンプレート・ウェブページ・ブログ記事に該当)

こういう流れで、ディレクトリにロールを割り当てるようなシステムであれば、ブログウェアとしても、CMSとしても運用できるのではないでしょうか?更には、ウェブアプリケーションの制作・運用やサーバマネジメントシステムへの発展も視野に入れることができます。

現在の Movable Type は言うなれば「ぬかみそ」のように熟成されてきました。ブログ記事からウェブページが、カテゴリからフォルダが、ブログからウェブサイトが、それぞれ派生するような形で追加されてきました。これらは古いバージョンからの互換性を保つために行われてきたのでしょうが、そろそろ抜本的な改革、もしくはMelodyのような派生バージョンが必要だと思います。

「誰もが手軽にサイトを管理できる」というのが CMS に求められていることです。そして、数ある CMS の中でユニークな存在であり続ける Movable Type のバージョン6に期待しています。